
記事掲載までの流れを比較する
メディアにおける「記事」の掲載と、ブロガーが「PRブログ」の案件からエントリーを掲載するまでを比較する。
なお、( )には、行使する権利もしくは義務を記述する。
・記者の視点からみた記事掲載までの流れ
ニュース→(1:取材権)→取材→(2:執筆権)→記事執筆→(3:掲載権)→編集のうえ掲載
・ブロガーの視点からみたPRブログ案件のエントリー掲載までの流れ(先日の「PRブログの現実(vol.3.0 「第3回未来のCyberBuzzを創る会」で考えた)」を参考に)
案件→(A:参加権)→(抽選して当選)参加→(B:執筆義務)→記事執筆して掲載→(C:掲載基準を満たしているかPRブログ会社がチェック)
1の取材権とAの参加権は、ニュースや案件への反応なのでほぼ同じ概念だ。
一方、Bの執筆義務とCの掲載基準チェックは、PRブログおよびブログ固有のものなので、それぞれ説明する。
この2点を解決すれば、記事の執筆という点でPRブログは広告ではなくなるか

執筆権から執筆義務へ(2→B)
メディアには執筆権があるので、取材しても記事を執筆しないことがある。
一方、PRブログの場合、ブロガーは参加したイベントについてエントリーを執筆しなければならない。執筆義務が存在する。
この執筆義務の発生理由を考えてみる。
PRブログ会社のメリットは
一方、ブロガーは
- エントリーの数が確定
- エントリーを執筆するブロガーが確定することで想定PVが算出できる→広告主に説明しやすい
という動機面でのメリットとともに、
- イベント参加への義務感
- イベントへの積極的関与
というデメリットが予想される。
- 想定と異なるイベントに参加したことによるブログの一貫性の低下
- 記事執筆への圧力
メリットと書いたものの、ブロガーを拘束するものに過ぎない。
ブロガーが参加するとしたイベントに確実に参加し、PRブログ会社とブロガーの信頼関係が深まれば、イベント参加後の「執筆義務」を「執筆権」にできるはずだ

記者兼編集長のブロガー(3→C)
ブロガーは記者であり、編集長でもある。
そのため、執筆した内容の責任は、自分自身が負う。
記者が執筆した記事を編集長が承認するというステップはない。
メディアが記事について指摘を受けると、媒体や会社として対応する。
一方、ブロガーは執筆したエントリーの内容について、コメントやトラックバック、ソーシャルブックマークを通して、厳しい指摘を受けた場合基本的に個人で対応しなくてはならない。
また、もし広告として定義されるなら、薬事法など記事の執筆時に配慮すべき点もある(「PRブログの現実(vol.3.0 「第3回未来のCyberBuzzを創る会」で考えた)」でもほかのブロガーのかたから指摘があった)。
例えば、PRブログ会社がブロガーと積極的に関わり
といったサポートをしてはどうだろうか。
- 文章の校正
- ブログや記事の方向性に関する打合せやブレスト
- 炎上時の対応
しかし、ここでPRブログ会社とブロガーの関係が問題になる

記者と編集長の関係なのか。広告掲載枠と広告代理店の関係なのか。
次のエントリーで考える。
最後に
わたしはメディアで働いた経験がありません。エントリーで取り上げたメディアにおける記事の執筆の流れに間違いがあればご指摘ください。
なお、このエントリーは、「smashmedia」の河野さんとディスカッションがあってこそ書けたものです。ご協力ありがとうございました。
関連エントリーはこちら。
「PRブログの現実(vol.1 週刊SPAに遊ばれる)」
「PRブログの現実(vol.2 企業からみたPRブログ)」
「PRブログの現実(vol.2.5 ブログパーツの攻撃)」
「PRブログの現実(vol.3.0 「第3回未来のCyberBuzzを創る会」で考えた)」
「PRブログの現実(vol.4.0 PRブログって何なのか?)」