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この『Gmail Book』は魚輪タロウさんの最新刊です。
生粋のPHSユーザーだったわたしにとって、魚輪タロウさんは「京ぽんの本」の著者としての印象が強いです。
出版された2004年当時、いまほど存在感のなかったPHSを一部のマニア向けからもうすこし多くのマニアに広げました。
その京ぽんへの愛情ほとばしる文章に引き込まれた記憶はまだ新しいものです。
PHS書籍初のベストセラーとなった「京ぽんの本」(巻末プロフィール参照)以降、「PSP Fan Book」「京ぽん2の本」と続き、今回はいわば「Gmailの本」。期待をこめて手に取りました。
副題が「Web mail 2.0」とあるように、Google社の提供する無料メール、GmailをWeb2.0時代のWeb mailとして紹介しています。
Web mailときいて「ISPやポータルが提供してるブラウザーベースのメールソフトね」と思ったかた、それはWeb mail 1.0の認識です。この本はその概念を打ち破ってくれます。
まず、目次を見てみます。
Chapter1 あなたの知らないGmail
Chapter2 Gmailの整理と検索術
Chapter3 Gmailのチャット機能「Googleトーク」活用術
Chapter4 GoogleカレンダーとGmailでこなす予定管理術
Chapter5 Gmailと合わせて使う便利なツールたち
Chapter6 PicasaとGmailで、新次元の画像整理が始まっている
Chapter7 Gmailでメールマガジンを楽しもう
Chapter8 持ち歩くGmailとは
Chapter9 GmailとYouTubeの関係
「MYCOM BOOKS - Gmail Book 〜Web mail 2.0〜」
(http://book.mycom.co.jp/book/978-4-8399-2223-8/978-4-8399-2223-8.shtml)から引用
まず、Chapter1・2・5・7・8は、応用例もありながら基本的にMail機能を紹介しています。
一方、それ以外のChapter3・4・6・9は、単なるブラウザーベースのメールソフトという概念を逸脱する機能が続々と登場してきます。
およそ半分がGmailの基本機能以外について言及しているのです。
あなたの知っているWeb Mailが「チャット」「カレンダー」「画像整理」「YouTube」と連携する状態を想像できますか?
やはり、Gmailの本ながら、GmailとGoogleの組み合わせから、はみだしていくのが筆者の真骨頂です。
Googleカレンダー以外の予定管理サービスを連携させたり、過去の書籍で培ったノウハウからPSPやW-ZERO3での利用方法を紹介したりと縦横無尽に展開します。
「京ぽんの本」がPHSの枠をこえて、定額制データ通信の世界へ広がったのを彷彿とさせます。
わたし自身、複数のGmailアカウントを使い分ける程度に使っていましたが、この本を読んでGmailの機能の深さに圧倒されました。
もしかしたら「Gmailに特化した操作マニュアル」を期待して手に取ると、話の広がりに消化不良になる恐れがあります。
それでも、この本をおすすめするのは、単にWeb mailとしてのGmailの解説書の域を超えているからです。
最後に、著者のメッセージを紹介します。
Gmailを活用することで、毎日の生活や仕事を、より充実したものに変えてくれるだろう。使うツールと使い方を、ほんの少し変えてやるだけで、生活は潤い、仕事にやりがいを与えてくれる。それこそまさにGmailで体感できる、Web2.0と呼ばれるものの正体だ。
(「はじめに」から引用)
Web2.0の概念ばかり先行するなか、体験する方法としてGmailを提案しているこの本は、きっと魚輪さん流の「Web2.0の本」なのです。
[補足]
詳細は魚輪さんのブログ
「魚輪事務業務日記 SAKANAWA-GYM RECODE」(http://blog.sakanawa.com/)でどうぞ。
[補足]
魚輪さんのブログでこの書評にコメントをいただきました。
「Gmail Bookを手にとってくださった方々(つづく)。」
おほめいただき、うれしーです。